慶應義塾湘南藤沢中等部 2018年度入試分析

 

 

慶應義塾湘南藤沢中等部 2018年度入試分析

慶應義塾湘南藤沢中等部(統一合判偏差値 男子:72/女子:73)

2018年度入試情報
試験 入試日 性別 定員 出願者 志願倍率 受験者数 合格者数 実質倍率
1次試験
国・算・社・理
2/2 男子 120名 332名 5.53倍 640名 291名 2.20倍
女子 360名 6.00倍
2次試験
体育・面接
2/4 男子 120名 1次合格者 255名 128名 1.99倍
女子 1次合格者
過去5年間の実質倍率(1次試験のみ)
2017年度 2017年度 2016年度 2015年度 2014年度
男子 2.20倍 1.97倍 2.30倍 2.02倍 1.89倍
女子

2018年度入試では、男子・女子共に実質倍率が過去5年間で一番高かったです。これは、附属校人気が再燃してきたことにあると思われます。2019年度入試では、さらに上昇傾向にあると思われます。湘南藤沢の入試は、前半に文系科目(国語・社会)を実施し、後半に理系科目(理科・算数)の順番で試験を実施します。一般の中学入試では、国語・算数・社会・理科の順番で試験が行われるため、受験生は、このペースに慣れてしまっているため、国語で躓いても次の算数を早い段階で気持ちの切り替えができます。しかし、湘南藤沢の場合は、算数が最後に実施されるため、算数が得意な受験生は、普段の実力を発揮せずに涙をのむといった話をよく聞きます。つまり、入試最後の科目である算数の取り組み姿勢で合否が決まります。算数が苦手な受験生は、残り3教科の総合点が勝負になります。湘南藤沢合格へのカギは、最後の科目である算数まで一切集中力を切らさないこと。そして、試験で躓いたあるいは普段の実力が発揮出来なかった時に、精神面でのリカバリーが出来るか出来ないかにかかっていると言えるでしょう。直ぐには身につくものではありませんから、普段の学習で訓練をしておく必要があると言えます。

各教科の特徴

 

国語

大問数4題、小問数24題と、例年通りの問題が出題されました。変更された点は2点あります。一点目は、大問一の知識問題が、今年は非常に解きやすいものになっていました。昨年度は、スポーツの試合をするエリアの名称でした(サッカーはピッチなど)が、今年度は基本的な慣用表現でした。二点目ですが、例年の問題では、大問2が短い文章の説明文で、大問3が長文の物語文でしたが、今年度は大問2の説明文での字数が増えていました。もちろん、物語文も長文だったため、読む速度が遅い受験生は大苦戦したことでしょう。

慶應義塾湘南藤沢中等部 2018年度入試分析
慶應義塾湘南藤沢中等部 2018年度入試分析

ちなみに、説明文の著者(鷲田清一)は大学入試(東大、早稲田、慶應、上智)でよく出題される人物として有名です。そのため、高度な読解力が求められています。

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算数

制限時間45分・配点100点・大問6題・小問18題と、ほぼ例年通りの出題でした。以下に設問ごとの難易度をまとめました。Aは一般的な基本問題、Bは標準問題、Cは応用問題となっています。今年は受験生を困らせるような、複雑な問題は少なかったので、いつも以上に高得点勝負になったようです。

慶應義塾湘南藤沢中等部 2018年度入試分析

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まず【1】の3題及び、【2】の(1)(2)は基本的な問題です。緊張せず、焦らずに正解することが必須です。【2】の(3)は与えられた数字の性質と、問題文の条件を整理して解く問題です。丁寧に考え、条件を整理していくと正解できます。ここで時間を必要とする分、それ以前の5題は迅速に処理する必要があります。【3】は規則性の問題です。今年の規則性の問題は、規則を見つけ、数え上げることができれば、難無く全問正解できる問題でした。本校の規則性の問題は、時間がかかる難解な問題が頻繁に出題されてきたので、しっかりと対策してきた受験生にとっては今年の問題は易しく感じたのではないでしょうか。【4】は与えられている条件と、図形の基礎知識を使って考えると、(1)(2)は時間をかけずに正解できる問題。(3)は(1)(2)を含め、検討した結果を使って丁寧に考えていく問題です。面積の「~倍」を問う問題は平面図形の定番問題なので、類題演習で対策をしておくとよいでしょう。【5】は、一見立体図形の問題のように思えますが、よく問題文を読むと、ニュートン算です。それに気づくと、解き方も思いつくはずです。(1)から題意に沿って考えていくと(3)まで解ける問題です。【6】は流水算の問題です。「時間が足りなくて手が出せなかった」となるのはもったいない問題です。自分で図やグラフを書いて、(1)(2)は正解してほしい問題です。

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今年の一問は【5】立体図形のニュートン算です。解き方が定着できていれば、丁寧に思考を重ねて正解にたどり着けている問題でした。
慶應義塾湘南藤沢の攻略のカギは問題処理能力と、数のセンスです。それらを養うには全範囲の標準レベルの問題を一定時間で解けるように繰り返し練習することです。その際にランダムに出題されている問題を、毎日時間を決めて演習を行うとよいでしょう。また規則性の色々な問題に数多くあたり、解法パターンを覚えましょう。さらに毎年のように出題されている速さの問題や平面図形の問題は、難問でなくていいので、時間がかかる複雑な問題に挑戦し、必ず正解できるまで挑戦していくと効果的です。

 

社会

大問数7題・小問数31題と例年通りですが、2018年度入試では、頻出単元である「地形図の読み取り」と、3年連続で出題されていた40字~50字の記述問題が出題されませんでした。このことから、1問にかける時間と見直しの時間に余裕が出来る入試問題であったと思われます。以下に設問ごとの難易度をまとめました。Aは一般的な基本問題、Bは標準問題、Cは応用問題をそれぞれ示します。慶應義塾湘南藤沢中等部合格のためには、AとBの問題は確実に正解しておかなければなりません。

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【1】は自動車を題材にした問題が出題されました。問1・問2は、最新の統計資料の読み取り問題が出題されています。普段の学習で最新の統計資料を目にした受験生にとっては、有利な問題です。問3以降は、記号選択問題・書き取り問題など幅広く出題されていますが、問題の難易度は基本から標準レベルですので、確実に正解しておかなければなりません。【2】は日本国内の新幹線に関する問題が出題されました。こちらも【1】と同様、最新の統計資料を使った読み取り問題が大半です。【3】は縄文時代・弥生時代・古墳時代の特徴について出題されました。ここでは、各時代の特徴が3つずつ書かれており、それぞれの文について正しいものには○、誤っているものには×を答えさせるという内容でした。湘南藤沢では、例年このような形式で出題されます。必ず設問の前後にヒントとなるワードが書かれていますので、設問を細部まで読み取る力が必要です。普段の学習から意識して問題に取り組んでいる受験生にとっては、有利だったと思います。

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【4】は北条泰時を題材にした歴史問題、【5】は明治時代の政治を題材にした歴史問題、【6】は国会を題材にした公民問題でした。どれも基本から標準レベルの問題ですので、ここでの失点は許されません。むしろ全問正解していてもおかしくはない問題です。【7】は条約を題材にした問題が出題されました。設問の中には、2017年の時事に関する問題も出題されています。普段から新聞やニュースはチェックしておく必要があります。

以上のことから、湘南藤沢の合格へのカギは、どの分野においても満遍なく対策をすることです。特に、今年度出題されなかった「地形図の読み取り」は、大手進学塾では小学4年生時に学習して、その後小学5・6年生で再度、時間を設けて学習することはありません。縮尺と等高線・地形図の読み取りが苦手な受験生は、早期に対策しましょう。また、湘南藤沢は他の慶應附属校3校の中で、設問を細部まで読み解く力が特に必要です。(過去の入試問題では、正しい答えが1つだけではなく、2つ以上あるものもありました。)正しい答えを見極める判断力を養う訓練を普段の学習から取り組むことをお勧めします。

 

理科

例年、大問数は4、解答箇所は25前後となっており、今年度もその傾向は変わりませんでした。また、物理・化学・生物・地学の各分野から大問1つずつ出題されていることも、例年通りでした。解答形式は数値記入や記号選択がほとんどです。しかし、短いながらも記述解答問題がいくつかあり、時間を上手に使わないと大きな失敗をすることになりかねません。また、記号選択問題では、「すべて選び、解答らんの番号を〇で囲みなさい」の形式が多いので、選択問題だからと言ってすべてが易しい問題であるとは限りません。以下に設問ごとの難易度をまとめました。Aは一般的な基本問題、Bは標準問題、Cは応用問題をそれぞれ示します。

慶應義塾湘南藤沢中等部 2018年度入試分析

慶應義塾湘南藤沢中等部 2018年度入試分析

【1】は「川原の石の分布」についての観察結果から考察する問題でした。調査結果のグラフを読み取る問題は丁寧に解く必要があります。【2】は「気体の発生」の問題でした。レベルは決して高くないのですが、問3~5は「すべて選びなさい」形式であったため、戸惑った受験生も少なからずいたはずです。【3】は「てんびん」の問題。設定された条件に沿って、試行錯誤しながら正確に計算できなければなりません。少し難易度が高い問題でした。【4】は「ヒトの体」。心臓と肝臓を解答用紙に描き入れる問題が出題されました。位置関係を大まかに把握しているだけでは自信をもって答えられなかったでしょう。また、成人男性の安静にしているときと激しい運動をしているときの血流の違いをグラフから連想させる問題が出題されました。

慶應義塾湘南藤沢中等部 2018年度入試分析

知識と問題文の条件を読み取る力が要求されています。

これまで見てきた通り、慶應義塾湘南藤沢中等部の合格を勝ち取るためには、1.幅広い知識を身につけていること。2.問題文を正確に速く読み取ること。3.不得意な単元を残さないこと。4.テストや問題集の基本レベルの問題を確実に解けるようにすること。この4つが必要です。そのために無駄のない適切な練習を心がけてください。

 

体育実技

①シャトルラン
※詳細は、下の図をご参照下さい。

慶應義塾湘南藤沢中等部 2018年度入試分析

②立ち幅跳び
※詳細は、下の図をご参照下さい。

慶應義塾湘南藤沢中等部 2018年度入試分析

③上体起こし
※詳細は、下の図をご参照下さい。

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面接試験

・面接は2段階で実施
・1回目は受験生のみの面接(面接官は1名)
・2回目は先に受験生のみ、その後に保護者のみの面接(面接官はそれぞれ2名)

※詳細は、下の図をご参照下さい。
慶應義塾湘南藤沢中等部 2018年度入試分析

【質問内容】

≪1回目≫
・1週間与えられたら何がしたいですか?
・好きな数字は? 理由は?
・筆記試験で印象に残った問題は? どんなところが?
・小学校で一番頑張ったことは?
・入学したらどんな部活に入りたいですか?
・塾以外の習い事はしていましたか?

≪2回目≫
・なぜ中学受験をしたいと思いましたか?
・なぜ本校を受験しようと思いましたか?
・慶應の伝統とは?
・子どもの名前の由来は?
・子どもの将来の夢は?
・子どもに普段からどんなことを言い聞かせていますか?
・どんな子どもに育ってほしいですか?
・家で継続的に行っているお手伝いは?
・兄弟(姉妹)は仲が良いですか?

※2回目の質問は、受験生・保護者共に同じ質問がされる

⇒つまり、面接官は親子で意思の統一がされているかどうかをみている。

 

 

慶應義塾湘南藤沢中等部 2017年度入試分析

慶應義塾湘南藤沢中等部(統一合判偏差値 男子:72/女子:73)

2017年度入試情報
試験 入試日 性別 定員 出願者 志願倍率 受験者数 合格者数 実質倍率
1次試験
国・算・社・理
2/2 男子 120名 319名 5.32倍 581名 295名 1.97倍
女子 320名 5.33倍
2次試験
体育・面接
2/4 男子 120名 1次合格者 265名 138名 1.92倍
女子 1次合格者
過去4年間の実質倍率(1次試験のみ)
2018年度 2016年度 2015年度 2014年度
男子 1.97倍 2.30倍 2.02倍 1.89倍
女子

2017年度入試では、男女の倍率は2016年度入試よりも低かったです。湘南藤沢の入試は、前半に文系科目(国語・社会)を実施し、後半に理系科目(理科・算数)の順番で試験を実施します。一般の中学入試では、国語・算数・社会・理科の順番で試験が行われるため、受験生は、このペースに慣れてしまっているため、国語で躓いても次の算数を早い段階で気持ちの切り替えができます。しかし、湘南藤沢の場合は、算数が最後に実施されるため、算数が得意な受験生は、普段の実力を発揮せずに涙をのむといった話をよく聞きます。つまり、入試最後の科目である算数の取り組み姿勢で合否が決まります。算数が苦手な受験生は、残り3教科の総合点が勝負になります。湘南藤沢合格へのカギは、最後の科目である算数まで一切集中力を切らさないこと。そして、試験で躓いたあるいは普段の実力が発揮出来なかった時に、精神面でのリカバリーが出来るか出来ないかにかかっていると言えるでしょう。直ぐには身につくものではありませんから、普段の学習で訓練をしておく必要があると言えます。

 

 

各教科の特徴

 

国語

大問数は例年通り4題、小問数は24題と若干増えましたが、解答欄の数は48と、例年通りのボリュームです。問題の構成も同様で、知識問題、短い説明文、長文の物語文、条件作文の順になっています。出題の傾向として変化が見られたものは、文章読解での記述問題がありませんでした。知識問題は外来語に関するものでしたが、スポーツの試合をするエリア、例えば、サッカーはピッチ、ボクシングはリングなど、むしろ一般常識的な内容でした。

慶應義塾湘南藤沢中等部 2017年度入試分析

次に今年の一題を紹介します。条件作文は、じゃんけんの説明でしたので、非常に書きやすい問題です。

慶應義塾湘南藤沢中等部 2017年度入試分析

湘南藤沢の国語で合否を分けたのは、文章読解力だったと考えられます。A・Bランクの問題を確実に得点する力を養成することが必要です。

 

 

算数

制限時間45分・配点100点・大問6題・小問17題と、ほぼ例年通りの出題でした。以下に設問ごとの難易度をまとめました。Aは一般的な基本問題、Bは標準問題、Cは応用問題となっています。今年は基本的な易しい問題と、解くのに時間がかかる複雑な問題が混在しており、タイムコントロールがかなり難しかったようです。

慶應義塾湘南藤沢中等部 2017年度入試分析

まず【1】の2題の計算問題は時間をかけずに正解すること。計算力を試される問題からスタートです。次に【2】の文章題の小問集合(1)から(3)は基本的な問題。(3)は頭の中で考えるだけではなく、線分図を書いて考えるとよいでしょう。(4)は、条件整理の問題で、2年連続してこの単元から出題されました。問題文を正確に読み取り、条件を整理していくと正解できますが、時間をかけずにスピーディーに正解しなければならない問題です。【3】は平面図形の角度や面積を求める問題です。全体を通して時間をかけずに正解できる基本問題ですが、(3)は和差算のイメージを持って解くと、解きやすかったでしょう。【4】は規則性(数列)の問題です。規則は直ぐに見つかりますが、規則をどのように正解に導くかを考えるのにセンスが問われる問題です。取り掛かりはよかったものの、思った以上に時間を使って余裕がなくなった受験生は少なくなかったようです。

慶應義塾湘南藤沢中等部 2017年度入試分析

【5】展開図を立体化したイメージが、正しく持てれば正解できる問題です。このような問題に対しては、日頃から立方体を組み合わせてできる図形を、自分で書いて考える練習をしておくとよいでしょう。【6】は旅人算と比の問題。図を書いて(1)から題意に沿って考えていくと(3)まで解ける問題です。

慶應義塾湘南藤沢中等部 2017年度入試分析

應義塾湘南藤沢の攻略のカギはスピードと、数のセンスを養うことです。全範囲の標準レベルの問題を一定時間5分で解けるように繰り返し練習する、規則性の色々な問題に数多くあたり、解くパターンを覚える、さらに毎年のように出題されている速さの問題、特に旅人算の問題は、難問でなくていいので、時間がかかる複雑な問題に挑戦し、解き方に慣れたら、仕上げに一定時間に正確に解く練習を行なうとよいでしょう。

 

 

社会

大問数7題・小問数32題と例年通りです。以下に設問ごとの難易度をまとめました。Aは一般的な基本問題、Bは標準問題、Cは応用問題をそれぞれ示します。慶應義塾湘南藤沢中等部合格のためには、AとBの問題は確実に正解しておかなければなりません。

慶應義塾湘南藤沢中等部 2017年度入試分析

【1】は地形図の読み取り問題が出題されました。湘南藤沢では、頻出単元ですので対策が必要です。特に、縮尺の求め方は必ず出題されますので、苦手な受験生は克服しておきましょう。今年度は、【1】の問1からCの応用問題が出題されました。大抵の社会科入試では、北海道の気候に該当する雨温図を答えさせますが、湘南藤沢では、函館市の雨温図を答えさせる問題が出ました。函館市の雨温図を知っている受験生は殆どいません。問1に1分以上考えてしまったら、その問題は飛ばしましょう。試験時間が25分という短い時間で全部の問題を解き、見直しまで終了しなければなりません。【1】は、時間配分を自分で考えて解く上で良い問題であると思われます。

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【2】は関東地方の地形・産業に関する問題、【3】は飛鳥時代~平安時代の文化史、【4】は歴史上の人物を題材にした問題でした。どれも基本問題ですので、ここでの失点は許されません。むしろ全問正解していてもおかしくはない問題です。【5】は日本の鉱山資源を題材とした歴史問題、【6】は労働を題材にした公民問題でした。どちらも標準レベルの問題ですが、設問を細部まで読み取る力が必要です。今年度で言えば、内容が正しいものなのか、それとも誤っているものなのかを答えさせる問題です。これらは、普段の学習から意識して問題に取り組んでいる受験生にとっては、有利だったと思います。【7】地球環境問題に関する問題が出題されました。湘南藤沢では、2015年度入試から3年間連続で40~50字の記述問題が出題されています。今年度は、問4で40字の記述問題が出題されました。ポイントは、「エコレールマーク」のイラストです。このイラストから、「鉄道」が連想できます。「鉄道」がなぜ、「地球温暖化対策がしてある商品」として認められているのかを理解することが出来れば、この記述問題は解けます。

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以上のことから、湘南藤沢の合格へのカギは、どの分野においても満遍なく対策をすることです。特に、大手の進学塾では、「地形図の読み取り」は小学4年生時に学習して、その後小学5・6年生で再度、時間を設けて学習することはありません。縮尺と等高線・地形図の読み取りが苦手な受験生は、早期に対策しましょう。また、湘南藤沢は他の慶應附属校3校の中で、設問を細部まで読み解く力が特に必要です。(過去の入試問題では、正しい答えが1つだけではなく、2つ以上あるものもありました。)正しい答えを見極める判断力を養う訓練を普段の学習から取り組むことをお勧めします。

 

 

理科

例年、大問数は4、解答箇所は25前後となっており、今年度もその傾向は変わりませんでした。また、物理・化学・生物・地学の各分野から大問1つずつ出題されていることも、例年通りでした。解答形式は数値記入や記号選択がほとんどです。しかし、短いながらも記述解答問題もあり、時間を上手に使わないと大きな失敗をすることになりかねません。また、記号選択問題では、記号を記入する形式と記号を〇で囲む形式があります。複数選択の場合もあるので、選択問題だからと言ってすべてが易しい問題であるとは限りません。以下に設問ごとの難易度をまとめました。Aは一般的な基本問題、Bは標準問題、Cは応用問題をそれぞれ示します。

慶應義塾湘南藤沢中等部 2017年度入試分析

【1】はふり子の運動の問題でした。どれも基本的な設問でしたが、問2のグラフを選択する問題と問4のガリレオを答えさせる問題は戸惑った受験生もいたはずです。ガリレオ=ガリレイは中学入試における科学史の中で最も重要な人物です。ふり子以外の功績についても覚えておきたいものです。

慶應義塾湘南藤沢中等部 2017年度入試分析

【2】は月の見え方に関する出題でした。問2および問4の季節による月の見え方についての問題は少し難易度が高い問題でした。【3】は上皿天秤の使い方を問う問題でした。湘南藤沢では、実験器具に関する出題が見られるのも特徴の一つです。過去にも顕微鏡やメスシリンダー、電流計に関する出題が見られます。【4】は水の中にすむ生物の問題。レベルは決して高くないのですが、問3や問6の複数選択の問題は迷った受験生も少なからずいたはずです。

慶應義塾湘南藤沢中等部 2017年度入試分析

これまで見てきた通り、湘南藤沢の合格を勝ち取るためには、基本的な事項を確実にすること。また、これらの問題に対応し、湘南藤沢に合格するためには、1.幅広い知識を身につけていること。2.問題文を正確に速く読み取ること。3.不得意な単元を残さないこと。この3つが必要です。そのために無駄のない適切な練習を心がけてください。

 

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