きれいな字・きたない字・読めない字

きれいな字・きたない字・読めない字

こんにちは。早慶維新塾・国語担当の青山雄一(あおやまゆういち)です。

「うちの子は字が汚いんです。どうにかならないですか?」

よく耳にするセリフです。

今回は、「汚い字」について考えてみたいと思います。

受験における「字が汚い」

では、字が汚いというのはどのような状態でしょうか?

当たり前ですが、字の美しさのコンテストではありません。
したがって美しい字を書く必要はありません。

ただ、採点する人に伝わるレベルの字が書ければいいのです。
以前何かで読んだお話ですが、
伝説の棋士坂田三吉氏は
文字の読み書きがあまり上手ではなかったそうです。

品川駅で降りるのに、
「しかくがみっつ、たてぼう三本の駅」
と覚えていたとのこと。

では、「品川」をテストのときに
「しかくみっつ、たてぼうさんぼん」で
書いたら正解になるでしょうか?
バランスの問題はありますが、正解になると思います。
一方、書道の時間に書いたら、先生に注意されてしまいますね。

つまり、相手に伝わるレベルで文字を書ければいいのです。

また、国語の漢字では(本来、すべての解答についてですが)、
採点する時に気を付けることはあります。

①     画数が変わってしまったら不正解。
②     とめ、はね、てんもみる。
③     線の長さも注意する。

です。

まず、①については文字を崩してしまうということです。
「口(くち)」という漢字を書くときに、きちんと3画で書いていますか?ついつい、
2画目と3画目が繋がってしまっていませんか?繋げてしまうと不正解になるということです。

もちろん、明らかに画数が違うというものが不正解になるので、気にしすぎることはないと思います。
次に、②については問題ないと思います。
「改」という字がありますが、

コンピューターで表示するとヘンの「己」という部分の最後の画が
はねている場合が少なくありません。
じつは、「止める」が正解です。
このように狙われやすい漢字もあります。

私が採点する時は、
「改」はヘンの最後の部分ばかり見ています。
最後に③についてですが、
「土」と「士」というように長さが形のポイントになる漢字です。

「土」は上が短いですが、採点する時は
「棒の右側も左側も上が短くなっている」
と考えてください。
決して2本の棒を定規で測っているわけではありません。

以上のことを考えたときに、
ポイントになるのは「採点者が読める字」で書くこと。
もう一歩進んで「形と画数が正しい字を書くこと」です。

決して、「芸術的な字」を書くことではないはずです。

子どもの字、実際にどうなの?

数年前、ある私立中学校の説明会に参加した時のことです。

共学校でしたが、先生がおっしゃった言葉に私はとても驚きました。

「男子の受験生で字が汚い子がいます。

少し意識して、必要ならば直してください。」

という意味のことばでした。

入学試験の採点はとても気を使うものでしょう。
緊張の中受験生が一生懸命書いた文字を先生は一生懸命読んでくださると思います。

ところが、上記のセリフ。
つまり、そういう受験生が少なくないという事でしょう。
一生懸命よもうとしても、どうしても読めない。
字が汚すぎて不正解にするしかない。
そのような受験生です。

きれいな字を書きましょう。
まず、「字をきれいに!」といくら叫んでも字はきれいになりません。
本人は誰でも読めるように書いているつもりでしょうから。

具体的にどうすればいいのかを指示してあげてください。

最低限必要なのは

①     線の始めと終わりを流さない。

1画1画の始まりと終わりをきちんとさせてください。
ここを意識するだけでだいぶ変わります。

②     枠の中に文字を書く

解答欄の中に字を書くことは基本です。枠の中に字を書いてください。
ノートも少し大きめのマス目のノートなどを使い、
普段から「枠の中」を意識させましょう。

③     線を引かせてみる

あみだくじなど線をひく遊びでも構いません。
なぞる、という行為でも構いません。
線は引けますか?

力を込めて、線を引いていますか?
線の始まりと終わりは止まっていますか?

④     きれいな字をなぞる

習字の授業などで行っているのと同じです。
文字だけでなく、数字などもなぞってみるといいと思います。

そして、ダメ出しをするときは

「ここがこうなっているから、違う字に見える」

と何を直すか具体的に言いましょう。

例えば、

「土の上が長いので士という字に見える。」

「アの縦棒が突き抜けているのでカに見える。」

「2の下の棒が曲がっているので3のように見える。」

などです。

この3つの例は今年実際に私が注意したものです。
模擬試験でも入試でも字が汚くて不正解、
というのはとても残念なことです。

受験まで残り少し。
その期間でも改善できることだと思います。
ちょっとだけでいいので、意識させてみてください。

 

 


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