なぜこんなに難しいのですか?【前半】
保護者がお持ちの悩みを
中学受験カウンセラー野田英夫が解決するブログです。
保護者からいただいた相談メールにズバリ回答いたします。
【相談内容】
なぜこんなに難しいのですか?
(小5のお母さんから)
サピックスに小3から通わせていますが、
そろそろ転塾させようと思っております。
いまの勉強についていけないということもないのですが、
配布されるテキストなどを見てみると、
なぜこんなに難しい問題ばかりなのか疑問を感じてしまいます。
私も、中学受験を経験しています
(一応、女子進学校といわれる学校に進学いたしました)。
息子の志望校は、早稲田系のどこかへと考えていますが、
こんなに難しい問題をやる必要はないように感じます。
開成や麻布などを志望校にしているのなら、
このような難問も必要かもしれませんが、
息子の志望校には必要ないと思います。
野田先生、なぜ中学受験塾ではこんなに難しい問題ばかり
扱っているのですか。
難しい問題にチャレンジすることにも
何らかのメリットはあると思うのですが、
ただでさえ精神的にも、体力的にも負荷がかかる中学受験なので、
子どもに負担をかけ過ぎてしまうのではないかと思ってしまいます。
(私は、中学受験してよかったと感じていますが、当時はどうしてこんなに
と思っていました。)
野田先生のご意見をお聞かせください。
どうぞ、よろしくお願いします。
【回答内容】
早慶合格への道先案内人、
早慶維新塾 塾長 野田英夫です。
その通りですね。
お母さんのおっしゃる通りだと思います。
そして、とても賢明な方だと感心いたします。
特に、通われているサピックスや、その塾から独立した塾などは、
難しい問題ばかりを扱う傾向が強いようですね。
以前にブログで書かせてもらいましたが、
早慶などの付属校を志望校にしている場合は、
あのレベルの難問を扱う必要はありません。
(そもそも付属校と進学校の出題は異なります。)
上記の独立系塾のテキストを拝見させていただきましたが、
サピックスのテキストよりも難しく、
サピックスに対抗しているような意図さえも感じられました。
ただ御三家などの難関進学校をどうしても狙いたいのであれば、
難問も必要なのかもしれませんね。
ただ、私の著書でも書いていますが、
御三家などの難関進学校を狙いたくても、
12歳段階で早熟な子でないと、なかなか合格は勝ち取れません。
ものごとを理詰めで思考できる精神年齢が必要となります。
さらに、精神的に幼く、論理的に物事が考えられない子には、
御三家受験は向きません。
無理をして狙わせると子どもを潰してしまう可能性もあります。
(将来、東大を狙うのであればいいですが、
精神年齢を満たしていない段階での御三家受験はお勧めできません。)
保護者は、子どもの精神的年齢に達しているかどうか、
しっかり見定めてあげてください。
付属校を目指すのであれば難問ばかりする必要はありませんし、
中学校側も難問が解ける生徒を求めてはいません。
この難問に対応できず学力を落としている生徒が多いのも事実。
(受験生全体の7割が該当します。)
にもかかわらず塾の成績を上げようと躍起になっている家庭がいかに多いことか。
そういった家庭のお母さんは、なんとかして塾についていこうと、周りが見えなくなっている。
塾にすべてを縛られているようなもの。
子どもがかわいそうです。
子どもに負荷をかけ過ぎてしまっています。
私も大いに共感です。
それでも疑問を感じる方は、
付属校の入試問題を見てみることをお勧めます。
どんな出題がされているか、見もしないで判断してはいけません。
中学受験の主役は、あくまでも子どもであるべきです。
ちなみに、
「開成の入試問題」と「上記塾のテキスト(小6)」は、どっちが難しいと思いますか?
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「塾のテキスト(小6)」の方が難しい。
それも圧倒的に!
では、なぜ塾ではこんなに難しい問題ばかり扱っているのか。
それは、
保護者がそれを望んでいるから。
保護者が、難しい問題を望んでいるのです。
そして、難しければ難しいほど保護者は喜びます。
これが事実です。